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低地に該当する地形パート2

本日も低地に該当する地形についてです


おぼれ谷

起源:土砂供給量の多い主流河川の堆積物(自然堤防や三角州)によって、開析谷などの土砂供給量の少ない小河川の出口がせき止められて、湖沼地(湿地)となったものである。

地盤:地盤構成は、未分解の腐植土層(泥炭)が多量に分布していることが多く、きわめて軟弱で地下水位も高い。これらの軟弱層がすり鉢状に不均一に堆積しており、今後どのような変状が発生するか全く予想が立たない地盤である。このため、おもに水田として利用されていた地域である。

特徴:まわりを台地や丘陵地等に囲まれたところで形成される。非常に軟弱な腐植土や有機質土を主体としているため有害な沈下が発生しやすい。

砂州砂丘

起源:沿岸海流があると本来三角洲の先端に堆積するはずの砂が海岸に波で押し上げられ、微高地(海岸砂州)形成する。砂丘は、さらに風によって運ばれた砂によって形成された小高い丘である。

地盤:地盤構成は、細粒土は洗い流されてしまい、砂だけからなることが多く、概ねよく締まった良好な砂質地盤である

特徴:海岸線に平行に連なっており、砂州砂丘もよく似ているが、砂州は海面よりさほど高くはないのに対し、砂丘は海面よりかなり高く大規模なものが多い。概ね自然堤防と同様な特徴であり、古くから集落が発達している事が多い。古くからの街道や街並み・標高(微高地)などで確認できる。すなわち住宅地盤として比較的良好な地盤であるといえる。ただし、地下水位が高い場合には地震時の液状化に注意を要する。

潟湖跡

起源:海岸砂州で海と区切られてできた湖が潟湖であり、潟湖は微粒子や泥炭などで次第に埋り潟湖跡になる。

地盤:地表面付近は極めて軟弱な地層で構成されている。おぼれ谷地形と同様で未分解の腐植土層(泥炭)が多量に堆積していることが多く、極めて軟弱で地下水位も高い。そのため、水田や湿地として利用されていることが多い。

特徴:砂州砂丘より陸側に形成される。近年は宅地開発も行われており、軟弱な地盤であることから沈下が問題となることが多い。

三角州

起源:大河川の河口付近では、運搬されてきた微粒子が堆積し州が形成されていく。結果、河川の流れは何本にも分岐し、流れに挟まれた州の形が三角形になることから「三角州」あるいはギリシァ文字の形をとって「デルタ(△)」とも呼ばれる。洪水・高潮等の災害にもさらされ易い。

地盤:地盤構成は、細粒土を主体とし地下水位も浅く軟弱な地盤を形成していることが多い

特徴:上記の性質から、あまり良好な地盤とは言えない。また、地下水位が浅いため、地震時に液状化を起こすこともあり注意が必要。

扇状地

起源:山地を流れてきた急流河川が平坦地に出ると流速が低下し、それまで運んできた砂礫が堆積する。これにより形成される地形が、山地からの出口を要とした扇形をしていることから扇状地と呼ばれる。

地盤:地盤構成は、砂礫・玉石・転石等を主体とし、N 値は30~50 又はそれ以上の硬質層となる。厚さは20m 以下が多いが、厚い部分では30~50m に達する。多量の被圧水・伏流水があり、扇の裾から泉の湧くこともある

特徴:地形図では、緩傾斜の同心円状の等高線で示される。概ね住宅地盤として良好であるが、土石流等の土砂災害には要注意。

次回は台地の地形について紹介したいと思います